毒のある虫・危ない虫(20種)

毒のある虫・危ない虫(23種)+カエル1種

|や|ら|わ|

アオカミキリモドキ
photoなし
体長が10〜16mmほどで、頭部や脚が明るいオレンジ色で、日本全土に生息。
毒は「カンタリジン」という有機化合物で、刺激を受けた場合に後脚の第一関節の近くから分泌し、人の肌に触れると、火傷に似た症状を引き起こします。カンタリジンを持っているのは、ツチハンミョウ科とカミキリモドキ科の昆虫です。
アオバアリガタハネカクシ
別名「やけど虫」とも言われ、体液中に有毒物質ペデリンを含み、皮膚に体液が付着すると、火ぶくれのようなミミズ腫れ(線状皮膚炎)を起こす。体液が付着してから発症まで時間差があるため、突然のミミズ腫れに原因が分からないことが多い。日本全土に生息し、灯火に飛来するため、人の皮膚に触れる機会が起こる。夏場に個体数が増える。体長は7mm前後。
近似種でエゾアリガタハネカクシ(飛ばないため被害は少ない)、クロバネアリガタハネカクシがあり、いずれも体液に毒をもつ。
死骸でも体液が残っていることがあり、素手で触るのは避けた方がいい。

アシナガバチ
アシナガバチは,巣にいたずらをしなければ,刺してくることはほとんどない。 蛾や蝶の幼虫を駆除してくれる益虫でもある。毒はスズメバチに比べれば弱いが、痛さはスズメバチよりも強いともいわれている。一度刺された方は、医療機関で血液検査を受け、どの蜂のアレルギーかを確認することをお勧めします。

 

アブ類
イヨシロオビアブのメスは、ハエによく似ている吸血虫。全国に生息し、主に山地性の虫。また、地域によって「うろろ」「おろろ」「おろ」などと呼ばれている。毒性はあまり強くはないが、チクッと刺されたあとかゆみが伴う。紺、黒、赤色や排気ガスによってくる傾向があり、白や黄色を嫌うと言われており、この色はハチ対策にも共通している。
ウシアブは、キイロスズメバチに似ており、刺されると長期間かゆみが伴うこともある。
山間部に夏場入る時は、アブ用の携帯防虫器がおすすめです。


イラガ類
イラガ科。日本全国に分布。庭にいる有毒の毛虫としては、ドクガの仲間と並んで刺されることの多い毛虫。脚がほとんどなく、ナメクジのように腹面全体で這い回る。ドクガ類は毒針毛の毒物質による"かゆい毛虫"だが、イラガは毒液の注入による"痛い毛虫"の代表で、刺されると、電撃的な痛みが走る。通常年1回の発生だが2回発生することもある。幼虫は7~8月から10月頃。
抗ヒスタミン含有のステロイド軟膏を塗るのが効果的。
クロシタアオイラガ、アオイラガ、ヒメクロイラガなどイラガの仲間はすべて刺します。

オオハリアリ
photoなし
北海道を除く日本全国の海岸部や林縁部から住宅地まで多様な環境に生息。
刺されると最初にチクりとした鋭い痛みがあり、その後は軽い疼痛が持続するが、おおむね1時間以内に治まる。ただし、何度か刺されると翌日以降掻痒感を伴うことがあるほか、血圧低下等のアナフィラキシー症状を呈することがあるため注意を要する。
オオヒキガエル
photoなし
※虫ではないけど。
小笠原諸島と大東諸島、そして石垣島をはじめとする先島諸島で大繁殖中の中南米産の有毒ガエル。
ブフォトキシンという神経毒の一種。肩あたりにあるこぶから白い乳液のような毒を分泌するため、素手では触れないように。

コカミアリ
体長1~2mmで、赤黄褐色。刺されると激しい痛みが生じ、アレルギー反応を引き起こす恐れもある。2023年岡山・神戸で見つかる。

スズメバチ類(メス)・ミツバチ
日本にはスズメバチ属7種、クロスズメバチ属5種、ホオナガスズメバチ属4種の合計3属16種が生息する。スズメバチの刺害による死亡例は熊害や毒蛇の咬害よりも上回る。
さされると激しい痛みや免疫系の混乱による急性アレルギー反応(アナフィラキシーショック)などを引き起し、死に至るケースもある。
1度刺されると体内ではハチの毒への抗体ができ、次に刺された時に過剰に反応して呼吸困難や吐き気などを引き起こすことがある。過去に刺された経験がある人は注意が必要。 刺された場合は、すぐに医療機関で診察を受けてください。
応急処置としては、刺された部分を指で押して毒を出し、患部をぬれたタオルなどで冷やす。 スズメバチ類は巣や縄張りの強い防衛行動をもつため、巣や縄張りから10m以内に近づくと周囲を飛び回る。 近くに飛んできた場合は、蜂に刺激を与えたり、払おうとせずに静かに遠ざかるようにする。
また、香水や黒い服は、スズメバチを興奮させる恐れがあるので、特に夏から秋にかけては、山や森に行く場合は注意が必要。

 

ミツバチの毒性は、オオスズメバチよりも強く、約1.8倍もあるといわれています。(ただし、刺された場合の毒の注入量がスズメバチより少ないため、安全と勘違いしている)アレルギーを引き起こすのは、毒性の強弱ではないため、1度刺された方は、要注意。またミツバチは大丈夫と思われている方がいますが、誤りです。 一度刺された方は、医療機関で血液検査を受け、どの蜂のアレルギーかを確認することをお勧めします。

セアカゴケグモ(メス)〈写真〉・ハイイロゴケグモ(メス)
ヒメグモ科に属する毒グモ。外来種で、雌のみ有毒。雌の体長は1cm前後、丸くつやつやした黒い体で、胸腹部の背面にはひし形が2つ縦に並んだような赤い模様、腹面には砂時計状の赤い模様があるので、わかりやすい。毒は獲物を咬んだときに獲物の体内へ注入される、神経毒の「α-ラトロトキシン」です。今のところ重篤者は出ていない。
幼体、成体ともに市販のピレスロイド系の殺虫剤によって駆除が可能。
セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモ等のゴケグモ属特定外来生物に指定されていますので、発見した場合は自治体に連絡してください。

チャドクガ
ドクガ科。茶の他ツバキやサザンカでもよく大発生する。
チャドクガの幼虫に刺されるといつまでも激しいかゆみが残り、2~3週間も続くことがある。刺されたときの痛みはほとんどなく、あとからヒリヒリした痛みと強いかゆみが特徴。チャドクガの毛虫に刺されたとわかったときは、セロハンテープを貼って毒針毛を取り、長く流水で洗い流すのがよく、手でこすったり掻いたりするのは最悪です。 抗ヒスタミン含有のステロイド軟膏を塗り、症状がひどければ抗ヒスタミン剤を内服します。

ツマアカスズメバチ
photoなし
体長2~3センチで、全体に黒っぽく、腹部はオレンジ、脚の先は黄色。どう猛で繁殖力が強い特定外来生物で、2015年北九州で確認された。環境省では、見つかればすぐに駆除すると発表していますので、発見したら、すみやかに各市町村に連絡してください。

ドクガ
ドクガ科。幼虫はサクラ・ウメ・バラ・カキをはじめ、多くの広葉樹の葉をはじめ、百数十種に及ぶ。
日本全国に分布。有毒の毛虫として有名で、幼虫が育つと体長が25mmほどになり、毒針毛の数も 600万本にも達し、刺されるとチャドクガよりもさらに症状がひどくなる。 年1回発生し、成虫は6~7月ころ出現して葉裏に卵塊を生みつけ、間もなく幼虫が孵化する。

トコジラミ(南京虫)
カメムシ目トコジラミ科の昆虫。5〜7mm程度。雄雌ともに吸血する。光を嫌うため日中は壁・タタミ・ソファの割れ目など隙間に潜んでいる。激しいかゆみを伴い、長時間継続する。

ヌカカ (むちゃ痒い)
▲上記写真は、管理人がヌカカに刺されて、1週間経った写真です。その後もかゆみが続き、2週間ほどで、赤みが抜けました。同日、同伴者も刺されたが、全く赤くはれないしかゆみもなかったというから、人によって症状がかなり違うようです。
磯やキャンプ場などに棲息。蚊の1/10程度の大きさの割に、直後は刺された感触もほとんど痒みもないが、翌日以降に赤く腫れ、1週間以上かゆみを伴う。特に夏場の磯場では、長袖・長ズボンで防ぐ。虫除けとしては、ジエチルトルアミド(ディート)を配した虫よけスプレーが有効といわれています。

ヒアリ(火蟻) 強毒
南米・北米・オーストラリア・中国などに分布。アカヒアリとも呼ばれ、世界の侵略的外来種ワースト100選定種。
2〜6mm程度で赤茶色。非常に攻撃的です。絶対に触れてはなりません。2017年5月兵庫県の港で発見され、各地の港でも発見されている。女王アリの死骸も確認されているため、すでに棲息エリアが広がっている可能性もある。
刺されるとアナフィラキシーショックで、死に至ることもある。
一般的な症状として、めまい、吐き気、発汗、低血圧、呼吸喪失、ろれつが回らなくなるなど。症状によって治療が異なります。(PHOTO:環境省より)

ヒトスジシマカ
ヤブカとも呼ばれ、デング熱などの伝染病を媒介する。生息地は藪・墓地・公園・人家など。植木鉢の受け皿に溜まった水のような小さな水溜りでも発生する。逆に山間部などでは個体数が少ない。日本では5月から11月ごろ。
水面に産みつけられた卵は2~3日で孵化しボウフラとして過ごす。ボウフラは水中の落ち葉や自分よりも小さな生物などを餌として、早いもので1週間、遅いものでは1ヶ月ほどかけて、4回の脱皮を経て蛹になり2~3日後に羽化して成虫になる。
庭などでは、器類に雨水がたまらないよう心がけ、蚊の繁殖をなるべく防ぎましょう。

ヒラズゲンセイ 弱毒
ツチハンミョウの一種で体長約2〜3センチで、赤いクワガタとも呼ばれている。
触ると体液を出す場合があり、素手で触った場合、皮膚の弱い所だとかぶれる恐れがありますが、毒性は弱い。
体液が触れたら、水で洗ってください。

ブユ

ハエ目(双翅目)カ亜目ブユ科。成虫は、イエバエの4分の1ほどの小ささ(約3~5mm)で透明な羽を持ち、体は黒っぽく丸まったような形をしているものが多い。
カやアブと同じくメスだけが吸血する。吸血の際は多少の痛みと赤い出血点や流血、水ぶくれができる。直後はそれ程かゆみは感じなくても、翌日以降に赤く膨れ上がり激しい痒みや疼痛、発熱の症状が1~2週間程続くこともある。(ブユ刺咬症、ブユ刺症)吸血された場合は、傷口から毒を抜いてステロイド系の薬を塗ります。
一般的な蚊用の虫除けスプレー等は効果が薄いので、ブユ専用のものを使うことが有効です。

マダニ

マダニは哺乳類から発せられる二酸化炭素の匂いや体温、体臭などに反応して、木の枝・草の上などから飛び移り吸血行為を行う。マダニの吸血は「咬む」ことで皮下に形成された血液プールから血液を摂取する。
SFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれると重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症する可能性があり、SFTSは現段階では治療薬がないため、重症化すると死に至る。致死率20%以上という調査報告がある。
SFTSは一週間~二週間ほどの潜伏期間を経て、38度以上の高熱、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状がでてきます。

マツカレハ
photoなし
カレハガ科。日本全国に分布。終齢幼虫は体長75mmに達する大型の毛虫。毒性はドクガより弱く、 刺されると激痛があり、腫れ上がります。痛みや腫れはすぐなくなるが、かゆみは1~2週間くらい続く。 アカマツ、クロマツ、ヒマラヤシーダなどの大害虫として知られている。
本種の毒針毛はドクガ類とは違い、 刺さった毛束が肉眼で見えますので、ピンセットとセロテープで除去します。

マメハンミョウやカミキリモドキ

△左マメハンミョウ、右カミキリモドキ
チツハンミョウ科の昆虫。体長約20mm。体液に毒を持っている。その体液にはカンタリジンという物質を含みつぶしたりして、皮膚につくと赤く腫れ、水疱ができることもある。体液が間違って目に入った場合、より重症となる。これは、カミキリモドキの仲間も同様です。

ムカデ類
トビズムカデ、アオズムカデ、アカズムカデ、タイワンオオムカデ。
主な毒性は、セロトロンやヒスタミンで、蜂の毒と似ている成分が含まれており、激痛を伴う。
特にアカズムカデの毒性が最も強力で噛まれると激しい疼痛、しびれ、灼熱感、紅斑が起きる。重症になれば、潰瘍化やリンパ管炎、リンパ節炎などが起きる。
ムカデは、夜行性で、湿気があり、ジメジメした場所を好みます。

ヤマビル
吸血性のヒル類としては日本本土では唯一の陸生ヒル。雨天時のほうが活動が活発。衣服の中に入り込んで吸血することもある。痛みはそれほど感じない。咬まれた痕は丸い小さな傷口になり、血液凝固を阻害するヒルジンにより、しばらく出血が止まらない。2時間程度は少しずつ出血が続く。一旦止まっても、入浴などで再び出血することもある。傷の治りは遅い。
皮膚に付いた場合はアルコールを近づけただけでも落ちる。そのほか、火を近づけたり、塩や塩分濃度の高い液体、食酢のような酸性の液体をかけることも効果的。食塩を入れた布を、ヒルの進行を防ぐような形で足首に巻くという予防法もある。吸血跡は化膿止めをした方がよいとされています。
ヤマビルによって媒介される寄生虫や病原体は知られていません。

以下の毛虫は、刺しそうですが、大丈夫です。
1.マイマイガ (サクラ、クヌギ、クリ、ニレなど)
2.アメリカシロヒトリ (サクラ、ヤナギ、カキ、プラタナスなど)
3.クスサン (クリ、クヌギ、コナラ、イチョウなど)
4.オビカレハ (サクラ、ウメ、モモ、ヤナギなど)

|や|ら|わ|